「預かり所属」という言葉を、養成所や事務所のオーディション情報でよく見かけると思います。実際に自分がこの立場になって初めて分かることが多かったので、制度の説明と合わせて実感をまとめておきます。
預かり所属とは?30秒でわかる結論
預かり所属とは、声優事務所と正式なマネジメント契約を結ぶ前の「仮所属」の状態のことです。レッスンを受けたりオーディション情報をもらえたりはしますが、正式な所属声優としては扱われません。
多くの事務所では、預かり所属として1〜3年ほど活動し、その間の実績や成長を見て「査定」と呼ばれる審査が行われます。ここに合格して初めて、正所属(正式所属)になれる仕組みです。
預かり所属と正所属の違い
| 預かり所属 | 正所属 | |
|---|---|---|
| 契約 | 仮契約・試用段階 | 正式なマネジメント契約 |
| お仕事の紹介 | 優先度は低め | 優先的に紹介される |
| ギャラの扱い | ランクが最も低い | 実績に応じて上がっていく |
| 期間 | 1〜3年程度が目安 | 更新制で継続 |
| 今後 | 査定を経て正所属または契約終了 | ―― |
つまり預かり所属は「お試し期間」であり、ここでの結果次第で事務所に残れるかどうかが決まる、緊張感のある立場です。
預かり所属のリアルな待遇
お給料のランクは基本的に一番低い設定になります。これだけで生活していくのは現実的に厳しく、アルバイトなど他の収入源と両立している人が多いのが実情です。私自身もホテルの朝食バイトや舞台の仕事と並行しながら活動しています。
「所属できた=安泰」ではなく、「所属できた=ここからが本当のスタート」という感覚のほうが近いです。
預かり所属のレッスンで気づいたこと
制度の説明だけでなく、実際に預かり所属としてレッスンを受けた中で感じたことも書いておきます。
私は声優事務所の預かり所属のレッスンで、マイク前の演技をした際に「マイクに声がのりづらい」と指摘されたことがあります。舞台では客席の最後列まで届けるために声を張るのが当たり前でしたが、その感覚のままマイクに向かっても、うまく音として拾ってもらえませんでした。
原因になっていたのは、自分の立ち位置・声の出し方・息の使い方の3点だったと思います。舞台の発声は「遠くへ飛ばす」ための出し方ですが、マイクの前では声量よりも、マイクに対してどう声を向けるかのほうが重要でした。舞台経験がある人ほど、この切り替えでつまずきやすい部分かもしれません。
預かり所属の期間は、こうした「現場でしか気づけないズレ」を修正できる貴重な時間でもあります。レッスンで指摘されたことをそのままにせず、一つずつ潰していく姿勢が、査定に向けて一番効いてくる部分だと感じています。
よくある質問
Q. 預かり所属でも仕事はもらえますか?
もらえますが、正所属に比べると優先度は下がります。オーディション情報自体は共有されることが多いので、そこで結果を出すことが査定突破の近道になります。
Q. 査定に落ちたらどうなりますか?
事務所によりますが、契約終了となるケースが一般的です。ただし、そこで得た経験やレッスンで指摘された課題は、次の事務所を探すときにも必ず活きます。
今日からできること
- ①レッスンで指摘されたことをメモに残し、次回までに1つは直す
- ②舞台の発声とマイク前の発声、両方を録音して聴き比べてみる
- ③預かり所属の期間中にできる実績(オーディション応募数など)を数値で把握しておく
声の出し方の基礎については「声優の滑舌トレーニング|自宅でできる5つの自主練」や「声優の喉のケア習慣5選」でもまとめています。マイクと舞台の発声の違いをもう少し詳しく知りたい方は「声優と俳優の違いとは?」もあわせてご覧ください。
[PR]マイクに乗る声の感覚は、独学だとなかなか自分では気づけません。第三者に一度聴いてもらうだけでも、課題がはっきりすることがあります。声の出し方を基礎から見直したい方は「声優向けボイトレスクール比較」もあわせてご覧ください。
まとめ
預かり所属は、正所属に向けた大切な準備期間です。待遇面では厳しさもありますが、現場でしか気づけないズレを修正できる時間でもあります。焦らず一つずつ課題をつぶしていくことが、結果的に一番の近道になるはずです。

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