そもそも声優ってどうやってできたんだろう?
「声優」という職業がどのように生まれたのか、皆さんはご存知でしょうか?
そのルーツをたどると、1920年代の日本にまでさかのぼります。
当時、俳優といえば「舞台俳優」が中心であり、観客と直接向き合いながら演技を行うのが一般的でした。しかし、時代が進むにつれ、舞台ではない場で「声のみ」で演技をする新しい表現の形が生まれていきました。
声優という職業の始まり
1. 1925年:ラジオでの「地味劇」からの始まり
声優の始まりとも言われる出来事の一つが、1925年にNHKが制作したサイレント映画『大地は微笑む』のラジオ番組化です。
この作品では俳優たちが「声のみ」で物語を演じ、「地味劇」として多くの聴取者に親しまれました。この時、「声の出演」という概念が生まれ、声で物語を伝える新しい形式の可能性が広がり始めました。
2. 1926年:「声優」という言葉の誕生
1926年には「声優」という言葉が初めて新聞に掲載された記録が残っており、この頃から「声の俳優」という認識が少しずつ広がっていたことが分かります。
声優という呼称はまだ一般的ではなかったものの、演技を声だけで伝える俳優が新しい職業として意識され始めた時期です。
3. 1941年:NHK放送劇団の設立
「声優」が本格的に制度化されるきっかけとなったのが、1941年にNHK(当時の東京放送局)が設立した「NHK放送劇団」です。
ここでは、ラジオドラマなどで声の演技を専門に行う俳優が多数所属し、声優としての演技力が磨かれていきました。これが現代に続く声優の始まりとされ、後に多くの声優がラジオやテレビで活躍する基礎を築いたのです。
4.1950年代:海外映画の吹き替えで声優の価値が確立
1950年代に入ると、日本に多くの海外映画が輸入され始めました。映画を日本で楽しむために、登場人物のセリフを日本語で吹き替える作業が必要となり、この「吹き替え」を担当する声優が求められるようになりました。
吹き替えは単なる翻訳ではなく、登場人物の感情やキャラクター性を声で表現する高度な技術が求められ、声優という職業の価値が大きく高まりました。
5.1956年:「カウボーイGメン」の放送と職業声優の登場
1956年には、海外ドラマ『カウボーイGメン』が日本で放送され、俳優の滝口順平が全役を一人で吹き替えました。これが日本で初めて「職業声優」として認識されるきっかけとなりました。
以降、声優はテレビや映画での吹き替えを専門とする職業として成長し、現在のエンターテインメント業界に欠かせない存在となっています。
6.テレビアニメの登場と声優の役割拡大
1960年代に入ると、日本初のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』が放送され、大ヒットを記録しました。このアニメブームをきっかけに、声優はアニメキャラクターの「声」を担当する重要な職業として注目されるようになりました。
テレビアニメが一般に浸透することで、声優は単なる「声の俳優」から、キャラクターの性格や感情を声で表現する「専門的な役者」としての認識が広がっていきました。
昔の声優は地味劇だった!
もともと声優は花形職業ではなかったんだね
声優という職業の始まりについて、過去の歴史を振り返ってみました。 昔の声優は地味劇から始まり、今ではテレビアニメや映画など様々なメディアで活躍しています。
時代と共に声優の活動は多様化し、その重要性も増しています。声優は作品に命を吹き込む重要な存在であり、多くのファンに愛されています。 今後も声優という職業は進化を続け、新たな可能性を広げていくことでしょう。過去の歴史を大切にしながらも、未来に向けて更なる飛躍を遂げる声優たちの活躍に期待が高まります。声優という職業の未来に期待しましょう!
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