
もう直ぐ初舞台なんだけれど、何か気をつけるポイントはあるのかな?
初舞台が決まった方、ご出演おめでとうございます!初舞台が決まった後、どのように行動したら良いのか、どういった流れがあるのかご説明させていただきます。初舞台に向けての心構えも含めてみていきましょう。
- オーディション
- 顔合わせ
- 稽古
- 小屋入り
- 場当たり
- ゲネプロ
- 本番
オーディションに受かった後の流れは、上記の通りです。それぞれどのようなポイントがあるのか確認してみましょう。
オーディションに受かった後の流れ
顔合わせ
まず、オーディションに受かった後に起こるものとしては、「顔合わせ」があります。顔合わせとは、オーディションに受かったメンバー全員やスタッフさんも含めて一つの舞台に関わる人が一堂に顔を合わせる場です。
この場では、それぞれ自己紹介をした後、台本を配られ本読みをするという流れが一般的です。(事前に台本が配られている場合もあります。)台本は一人一冊配られるものなので、自分のものだとわかりやすいようにしましょう。筆記用具は必ず持っていくことをお勧めします。
もし本読みの最中に読めない漢字などが出てきた場合は、きちんと確認してルビを振っておくことが大切です。また、本読みをするときただ棒読みで読むのではなく、自分なりにこのキャラクターはこういう感じだろうと探りつつ感情を入れることが大切です。顔合わせまでに配役が決まっていない場合は、この本読みで決まります。自分のやりたい役がある場合は、きちんとアピールをするといいかもしれません。
稽古
顔合わせが終わった後に待っているのは、稽古です。稽古は、本番の2ヶ月前からだったり1ヶ月前からだったりとその作品や団体によって様々です。稽古中は、きちんと演出家さんの話を聞き、出されたアドバイスはその場で解消するようにしましょう。
「台本はいつまでに覚えればいいのか」という疑問を覚える方もいるかもしれません。台本は配られた後、可能な限り早く覚えてください。早く覚えれば覚えるだけ、その後自分の役に向き合うことができます。また、稽古はじめのうちは、台本を話すことが不安かもしれません。その場合、他の人にプロンプ(プロンプト)を頼むといいでしょう。また、もし余裕があるのであれば、本を一冊覚える気で読むと他の人が欠席の場合、代役で立てたりすることができます。
小屋入り
小屋入りは、稽古場から移動して「小屋」本番の舞台がある場所に移動することです。この小屋入りは、技術班と俳優班に分かれて会場入りする時もあります。小劇場では、基本的に役者が建て込み(舞台をまっさらな状態から作り上げること)をする場合が多いです。必要に応じで軍手や汚れてもいい格好をしておくと良いでしょう。
また、この小屋入りで稽古中に決まった衣装や化粧品を持っていくことを忘れないでください。この小屋入り以降、ロングラン公演や夏場でない限り衣装の持ち帰りは、あまりしない方がいいです。一度持ち帰ってしまうと持ってくることを忘れたりして非常に危険です。
場当たり
場当たりは、照明造りや音響確認、役者の暗転の動き確認などをする場です。基本的にはスタッフさんの確認のための場なので、役者陣はお喋りなどはせずに迅速に指示に従うことが求められます。また、この場当たりは基本的に本番と同じ格好をして行うことが大切です。衣装などが違ってしまうと照明を浴びた時、客席側から見た印象が変わってしまうので気をつけてください。この場当たりで衣装が若干変わるという場合もあります。
もちろん暗転確認や転換など役者の動きが照明やきっかけが変わる場合は、きちんと確認しておくことが大切です。しかし、役者同士の動きで解消できる場合は前もってきちんと確認しておくと良いでしょう。
ゲネプロ
ゲネプロは、お客さんのいない本番だと思ってください。基本的にやることは、本番と同様です。ここで本番と同じように動くのかゲネプロだからとセーブするのかで本番の出来が大きく変わる事があります。ゲネプロでも本番と同様に行動しておくと、その後の本番でも失敗する事なく行動する事ができます。
本番
ここまできたら残すは本番のみです。本番は稽古でやってきた事をそのまま出せば大丈夫です。あまり気負うことなく、リラックスして挑みましょう。常に一人の人生の一生を生きる気持ちで演じることをおすすめします。役者にとって数ある本番のうちの一つでもお客さんにとっては、一回きりの舞台です。最善のものを届けるように尽力しましょう。
初舞台へのポイント:事前準備の重要性
台本を徹底的に理解する
初舞台に臨む際には、台本をきちんと理解する事が大切です。台本は、物語全体の流れやキャラクターの感情を把握するための地図のようなものです。自分のセリフだけでなく、他のキャラクターのセリフや行動も読み込むことで、物語全体の意図を深く理解することができます。
たとえば、自分のキャラクターがなぜそのような言葉を選ぶのか、そのセリフに込められた感情は何かを掘り下げることが重要です。また、他のキャラクターとの関係性や物語の背景を分析することで、演技に深みが生まれます。台本を理解する過程で、必要に応じて演出家や共演者と話し合い、自分の解釈を明確にしておくといいでしょう。
役柄の背景と感情を深く分析する
演じるキャラクターの背景や感情を深く理解することは、観客に説得力のある演技を届けるための鍵です。そのキャラクターがどのような人生を歩んできたのか、どのような価値観や目標を持っているのかを考えることで、演技にリアリティを加えることができます。
具体的には、キャラクターの年齢、性格、出身地、過去の出来事などを台本から読み取り、自分なりに解釈を加えることが効果的です。このような分析を通じて、キャラクターの感情が自然とセリフや動作に表れるようになり、観客を物語に引き込む力が高まります。
本番前の心構え:緊張を味方につける方法
深呼吸でリラックスする
初舞台では緊張するのが当然ですが、その緊張を和らげる方法として鉄板の深呼吸が効果的です。深呼吸をすることで心拍数が安定し、過剰な緊張を抑えることができます。また、呼吸が整うと声も出しやすくなり、舞台上での発声に良い影響を与えます。
たとえば、本番直前に舞台袖で数回ゆっくりと深呼吸をすることで、リラックスした状態を作り出せます。このような自分なりのルーティンを持つことで、心の安定感が増し、集中力を高めることができます。緊張を完全に消す必要はありませんが、適度にコントロールすることが重要です。
緊張を集中力に変える
緊張は必ずしも悪いものではなく、適切に活用すれば集中力を高めるエネルギーになります。舞台に立つ前に、自分がこれまで積み重ねてきた練習や努力を信じ、「今の自分ができる最高のパフォーマンスを見せる」という前向きな意識を持つことが大切です。
緊張をポジティブな方向に転換する方法として、緊張の感覚を「自分が真剣に取り組んでいる証」と捉える考え方があります。こうすることで、緊張を克服しようとするのではなく、演技の質を高める原動力として活用できます。
演技面での注意点:声と動きを大切にする
声の大きさと明瞭さを意識する
舞台での演技では、観客に声を届けるために、声の大きさと明瞭さを意識する必要があります。特に、舞台は映画やテレビドラマとは異なり、マイクを使用しない場合も多いため、声の強さと滑舌が演技の伝わりやすさに直結します。
声を大きくするだけでなく、セリフの抑揚やリズムを意識して話すことで、観客にキャラクターの感情を的確に伝えることができます。発声練習や滑舌のトレーニングを日常的に行い、本番で自分の声に自信を持てるようにすることが大切です。また、セリフが言い慣れていないと言い慣れていないんだなというのは見てわかってしまいます。自分のセリフはきちんと明瞭に発声できるようにしておきましょう。
自然な動きと表情を心がける
舞台上では、観客に演技がわかりやすく伝わるように、動きや表情が過剰になる傾向があります。しかし、あまりにも誇張しすぎると、演技が不自然に見える場合もあります。そのため、動きや表情を自然に見せることが重要です。
たとえば、観客席から見て適切な大きさのジェスチャーや表情を練習し、鏡を使って確認することで、動きのバランスを調整できます。また、他の共演者との位置関係を意識しながら演技することで、舞台全体の調和を保つことができます。
テクニカルな部分での注意点
照明や音響の確認
舞台では、照明や音響が演技の効果を大きく左右します。場当たりやゲネプロの時に、自分がどの位置に立つと最適な照明が当たるのかを確認しておくことが大切です。また、音響のタイミングや効果音が入る場面を把握しておくことで、演技と技術スタッフの連携がスムーズになります。
たとえば、特定のセリフに合わせて音響が変化する場合、そのタイミングを事前に確認し、稽古やゲネプロで試すことが重要です。こうした確認を怠ると、せっかくの演技が照明や音響と噛み合わず、観客に正しい意図が伝わらなくなる可能性があります。
衣装や小道具への慣れ
衣装や小道具の扱いに慣れることも、初舞台では重要なポイントです。衣装が動きにくい場合や、小道具を使うシーンがある場合は、稽古の段階でその扱いを十分に練習しておく必要があります。
たとえば、長いドレスやマントを着用する場合、動きが制限されることがあるため、それを考慮した動作を練習することが求められます。小道具についても、実際に手に取ったり使ったりする感覚を事前に確認しておくことで、本番でのミスを防ぐことができます。ボールは友達ではありませんが、同じような気持ちで小道具に慣れておく事が大切です。
コミュニケーションの必要性
共演者との呼吸を合わせる
舞台上での演技は、一人で完結するものではありません。共演者との呼吸を合わせ、スムーズなやり取りを行うことが、物語の流れを自然に見せる鍵となります。セリフや動きのタイミングを合わせることで、舞台全体の統一感が生まれます。
たとえば、相手役が予想外のタイミングでセリフを発した場合でも、柔軟に対応できるように意識を集中させておくことが重要です。また、リハーサルでのコミュニケーションを重ねることで、共演者との信頼関係を築き、本番での相互作用をスムーズにすることができます。
アドリブにも対応する柔軟性
舞台では、予定外の出来事が起こることも珍しくありません。そのような場合に柔軟に対応できる力は、俳優としての大切なスキルです。たとえば、他の俳優がセリフを飛ばしたり、小道具が壊れたりした際に、自然にその場をつなぐ能力が求められます。
アドリブに対応するためには、台本の内容を深く理解し、物語全体の流れを把握しておくことが必要です。きちんと周りの人達とコミュニケーションをとっておく事で思わぬ状況でも冷静に対応するスキルを磨くことができます。
メンタル面での心構え
失敗を恐れない姿勢
初舞台では、失敗を恐れるあまり緊張が増してしまうことがあります。しかし、失敗は成長の一部であり、舞台では誰もが一度は経験するものです。失敗を恐れるのではなく、「失敗してもすぐに立て直せばいい」と考えることが重要です。
たとえば、セリフを飛ばしてしまった場合でも、焦らずに相手役との掛け合いでフォローすることで、観客に気づかれないことが多いです。失敗を過度に意識せず、自分の演技に集中することが、本番での成功につながります。きちんと稽古を重ねることで舞台上では自分ではなく役として生きる事が大切です。
楽しむ姿勢を持つ
最後に、舞台に立つことを楽しむ姿勢を忘れないことが大切です。観客にとって、舞台で輝いている俳優の姿は大きな感動を生むものです。自分自身が楽しむことで、そのエネルギーが観客に伝わり、舞台全体がより良い雰囲気になります。
舞台上での成功は、自信と楽しむ気持ちから生まれます。これまでの練習や準備を信じ、周りの共演者さんやスタッフさん、そして何より自分自身を信じ、観客に最高のパフォーマンスを届けることを目指しましょう。
初舞台は適度な緊張で楽しみましょう
初舞台は、俳優にとって重要な一歩です。本番までの流れをきちんと確認して、わからない事があれば、知ったかぶりをせずに演出家さんや周りの先輩に確認するといいでしょう。また、不安を和らげるために台本をきちんと読み込む事が大切です。先輩や演出家さんは誰が初舞台であるか知っています。胸を借りる気持ちでわからないことは都度確認して、初舞台を楽しんでください。失敗を恐れずに、楽しむ姿勢を持つことでより魅力が輝くでしょう。
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