「声優って、アニメキャラの声を当てる仕事でしょ?」
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そう思っている人は多いかもしれません。
確かに、アニメは声優の代表的な仕事です。
でも実は、声優の活躍の場はアニメだけではありません。
むしろ、アニメ以外の仕事のほうが多いと言っても過言ではないのです。
声優を目指しているあなたに知ってほしいのは、「声の仕事」は思っているより広くて多様だということ。
その全体像を知ることが、自分に合ったキャリアを描く第一歩になります。
この記事では、声優の主な仕事7種類とそれぞれの特徴を、初心者にもわかりやすく解説します。
そもそも「声優」とはどんな職業?
声優とは、声を使って「演じる」仕事です。
俳優が身体全体で役を表現するのに対して、声優は主に「声」だけで感情や人物を表現します。
日本の声優は世界的にも高い技術を持つとされており、アニメ・ゲーム・映画など幅広いエンタメを支えるプロフェッショナルです。
近年では、声優自身がアーティストやタレントとしても活躍するケースも増えています。
声優の仕事7種類を徹底解説
①アニメ
最もイメージしやすい声優の仕事がアニメです。
テレビアニメ・劇場アニメ・配信アニメなど、形式はさまざま。
キャラクターの台詞を収録する「アフレコ」という作業が基本で、声優同士がスタジオに集まり映像に合わせて演じていきます。
競争率はとても高く、主役級のキャラクターを射止めるには高い演技力と人気が必要です。
ただし、端役や群衆の声など、比較的小さな役からキャリアをスタートさせる声優も多くいます。
アフレコの現場で意外と重要になるのが、集中力と即興性です。収録は限られた時間の中で進むため、音響監督から「もう少し抑えて」「今の3倍元気に」といった指示がその場で飛びます。それを一度で反映できるかどうかが、次の仕事につながるかの分かれ目になることも少なくありません。台本を読み込んで準備しておく力と、現場で切り替える柔軟さの両方が求められる仕事です。
②洋画・海外ドラマの吹き替え
海外の映画やドラマを日本語に翻訳し、俳優の演技に声を重ねるのが「吹き替え」の仕事です。
口の動き(リップシンク)に合わせながら自然な日本語で演じる必要があり、高度な技術が求められます。
大ヒット映画の日本語吹き替えを担当した声優は、一般にも名前が知られるきっかけになることも。
「この声優といえばこの俳優」という専属の関係性が生まれることもあります。
吹き替えで難しいのは、原語の俳優がすでに完成させた演技を尊重しながら、日本語として自然に聞こえる芝居に置き換えることです。直訳的に感情をなぞるだけでは不自然になりますし、かといって自由に演じすぎると原作の雰囲気が壊れてしまいます。海外作品ならではの間の取り方や感情表現を、日本語の呼吸に落とし込む技術が問われます。
③ゲーム
家庭用ゲーム・スマートフォンゲーム・オンラインゲームなど、ゲームの音声収録も声優の重要な仕事の一つです。
スマホゲームの普及により、近年はゲーム関連の仕事量が大幅に増えています。
アニメとは異なり映像に合わせる必要がないぶん収録の形式が異なりますが、
膨大な量の台詞を収録することも多く、体力と集中力が必要です。
また、ゲームと近い分野として、アプリやデバイスの音声ガイダンスの仕事もあります。カーナビの案内音声、駅や施設のアナウンス、スマートフォンアプリの読み上げ音声などがこれにあたります。派手さはありませんが、繰り返し聞かれても不快にならない安定した発声と滑舌が求められる、実力がそのまま出る分野です。
④ナレーション
バラエティ番組・ドキュメンタリー・ニュース・企業のPR動画・YouTubeコンテンツなど、
ナレーションの仕事は非常に幅広いです。
「演じる」というよりも「伝える」スキルが重要で、聴き取りやすい声・滑舌・テンポ感が問われます。
ナレーターとして特化してキャリアを築く人も多く、アニメよりも安定した仕事になるケースもあります。
ナレーションは大きく分けて、番組の世界観をつくるものと、企業広告でブランドイメージを担うものがあります。ドキュメンタリーや情報番組では、映像の邪魔をせず内容を的確に伝える読みが必要です。一方でCMのナレーションは、数十秒という短さの中で商品の印象を決めてしまうため、声のトーンひとつで結果が変わる責任の重い仕事です。
⑤ドラマCD・ボイスドラマ
映像なしで声優の演技だけで物語を描くのが「ドラマCD」や「ボイスドラマ」です。
漫画・ライトノベル・アニメの原作をもとにしたものや、オリジナル作品もあります。
近年はスマートフォンアプリやオーディオブックの分野でも需要が高まっており、
独特の表現力が評価される仕事でもあります。
ボイスドラマの特徴は、映像がまったくないことです。今どこにいるのか、誰と向き合っているのか、どんな表情をしているのかを、すべて声だけで聞き手に伝えなければなりません。息づかいや声の距離感といった細かい部分まで意識して演じる必要があり、声の演技力がそのまま作品の完成度に直結する分野といえます。
⑥ラジオ・音楽活動
声優がパーソナリティを務めるラジオ番組は、根強いファンを持つコンテンツの一つです。
アニメの宣伝目的で始まったものも多いですが、声優自身のトーク力やキャラクターが評価されて長寿番組になることも。
また、声優としての仕事と並行してアーティスト活動をする人も増えています。
声優ユニットの結成やソロデビュー、ライブ活動など、活動の幅は年々広がっています。
ラジオでは、台本のある芝居とは違い、リスナーとのやりとりを楽しむ姿勢が大切になります。メールやおたよりを読みながら自分の言葉で話す時間が長いため、演技力とは別のトーク力が問われます。音楽活動のほうでは、キャラクターソングのようにキャラクターの声のまま歌う場合と、声優本人名義で歌う場合とで求められる歌い方が変わります。演技で培った感情表現を歌に乗せられるかどうかが、声優ならではの強みになる部分です。
⑦舞台・映像出演
声優として認知度が高まると、俳優として舞台や映像に出演するケースも増えています。
「2.5次元ミュージカル」と呼ばれるアニメ・ゲーム原作の舞台では、声優がそのままキャラクターを演じることも多いです。
また、テレビドラマやCMへの出演など、顔出しでの活動も声優の仕事の一つです。
声だけでなく、全身で表現するスキルも求められるジャンルです。
さらに、バラエティ番組やイベントへの出演も声優の活動の一つです。キャラクターとしてではなく本人として話すことで、アニメを見ない層にも名前を知ってもらえるきっかけになります。トークの瞬発力が問われる場でもあり、ここで印象を残した声優が一気に知名度を上げるケースも珍しくありません。イベントでは観客と直接顔を合わせるため、収録現場とはまったく違う緊張感があります。
声優の仕事はどこから始まる?
多くの声優は、事務所に所属してから少しずつ仕事をもらいながらキャリアを積んでいきます。
最初から主役やレギュラーを任されることは少なく、ナレーションや端役・モブキャラなどの仕事からスタートするのが一般的です。
特にナレーションやゲームの仕事は「量を経験できる」という点でスキルアップに適しており、
新人声優の登竜門として活用されることが多いです。
仕事をもらうために必要なスキル
- 演技力・発声技術
声だけで感情や人物を表現する基礎スキル。養成所や専門学校で継続的に磨くことが重要です。 - 滑舌と正確な発音
特にナレーションや吹き替えでは、聴き取りやすい日本語表現が不可欠です。 - 瞬発力と対応力
スタジオではディレクターの指示にすぐ対応できる柔軟さが求められます。 - 体力と精神力
長時間の収録や連続オーディションに耐えられる体調管理も大切です。
今日からできること
- 好きな声優の仕事を調べてみる
あなたが好きな声優が、アニメ以外にどんな仕事をしているか調べてみましょう。吹き替えやナレーション作品を意識して聴くと、声優の仕事の多様性が実感できます。 - さまざまなジャンルの作品に触れる
アニメ・洋画・ゲーム・ドラマCDなど、幅広いコンテンツを積極的に体験しましょう。どんな声・どんな演技が使われているかを意識するだけでも、声優の仕事が見えてきます。 - 自分が目指したい方向性を考えてみる
「アニメ声優になりたい」「ナレーターとして活動したい」「ゲームキャラを演じたい」など、方向性を意識することで学ぶべきスキルが絞れてきます。 - 発声・滑舌の基礎練習を始める
声優のすべての仕事に共通するのが「声の基礎」です。腹式呼吸や滑舌練習など、今日からできることを少しずつ始めましょう。
仕事の種類によって求められる技術も違う
仕事の種類を知ったら、次に押さえたいのは「それぞれで求められる技術の違い」です。同じ声の仕事でも、現場ごとに評価されるスキルは驚くほど異なります。
アニメでは、キャラクターの個性を立たせる表現力と、絵に合わせるタイミング感覚が命です。外画の吹き替えでは、原音の俳優の芝居に寄り添う繊細さが求められ、自分を出しすぎないコントロールが必要になります。
ナレーションは「読む」のではなく「伝える」技術。商品や番組の魅力を、聞き手の生活に届く温度で語る力が問われます。ゲームは断片的なセリフを大量に収録するため、文脈を瞬時に想像して演じ分ける対応力が重要です。
つまり、「声優になる」とは一つの技術を極めることではなく、複数の専門技術の中から自分の主戦場を選び、磨いていくことなのです。
自分に合う分野の見つけ方
どの分野が自分に向いているかは、次の3つの視点で考えると整理しやすくなります。
①好きで聴き続けてきたもの
アニメを浴びるように観てきた人と、洋画ばかり観てきた人では、耳に蓄積された演技の型が違います。長く親しんだジャンルは、それだけで有利なスタート地点です。
②声質と得意な表現
キャラクター性の強い声か、聞き取りやすい自然な声か。感情表現が得意か、正確な語りが得意か。自分の声の特性は、客観的な録音チェックやプロの講評で把握できます。
③生活との相性
レギュラー収録が続くアニメと、単発が多いナレーションでは、生活リズムも営業の仕方も違います。自分の生活設計との相性も、意外と大事な判断材料です。
活動スタイルにも幅がある
仕事の種類だけでなく、働き方そのものにも幅があります。
アニメやゲームの仕事を中心に活動する人もいれば、ナレーションや朗読を主軸にしながら、たまにアニメのオーディションを受けるという人もいます。
また、舞台俳優として活動しながら声の仕事も並行して行う、いわゆる「兼業」的なスタイルの人も少なくありません。
実際に私自身も、舞台の現場と音声収録の現場を行き来する中で、それぞれの現場でしか得られない気づきがあることを実感しています。
どの働き方が正解ということはなく、自分の得意なことや続けやすいペースに合わせて、複数の領域を組み合わせていくのも一つの選択肢です。
最初から一つの領域に絞り込みすぎず、まずは広く経験を積んでみるという姿勢も、長く声の仕事を続けていくうえでは大切になります。
よくある質問
Q. 最初から分野を絞るべきですか?
いいえ。駆け出しのうちは来た仕事を選ばず経験し、その中で手応えと需要のある分野に比重を移すのが現実的です。ただし「将来はナレーションで食べていきたい」のような方向性を持っておくと、練習の質が変わります。
Q. 複数の分野を掛け持ちできますか?
できますし、それが普通です。アニメで知られる声優もナレーションやゲームの仕事を並行しているのが実態です。収入の安定という面でも、複数分野で仕事を持つことは大きな強みになります。
Q. 分野ごとに養成所は分かれていますか?
総合的に学べる養成所が多い一方、ナレーター専門コースやアニメ声優に強い事務所系など、特色の違いはあります。目指す分野が明確なら、その分野の実績が豊富な学びの場を選ぶと近道になります。
気になる分野が見つかったら、まず声を鍛えるところから
ここまで7つの仕事を見てきましたが、どの分野に進むにしても土台になるのは「声そのものの基礎力」です。滑舌、発声、息の使い方といった部分は、アニメでもナレーションでもゲームでも共通して求められます。
独学でも練習はできますが、自分の声のクセは自分では気づきにくいものです。私自身、稽古で「た行・ら行・か行が甘い」と指摘されて初めて自覚したクチで、第三者に聞いてもらうことの効果は実感しています。まずは無料体験レッスンで、自分の声を客観的に見てもらうところから始めてみるのがおすすめです。
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3社の違いは「声優向けボイトレスクール比較|Voice Camp・ナユタス・シアーの選び方」で詳しくまとめています。
なお、この記事で扱ったのは「声優本人の仕事」です。アフレコ現場には音響監督や録音技師、キャスティングディレクターなど、声優を支える専門職も数多く関わっています。そちらは「声優を支える裏方の職業12種」でまとめました。
まとめ
①7種類の仕事から興味のある順に3つ選び、代表的な作品や番組を研究する
②同じ文章を「アニメ風」「ナレーション風」「朗読風」で録音して聴き比べる
③憧れの声優・ナレーターの出演分野を調べ、キャリアの広げ方を観察する
④自分の声の特性を知るため、3分の自己紹介を録音して分析する
声の仕事の地図を手に入れたら、あとは歩き出すだけです。あなたの声が活きる場所は、必ずどこかにあります。
声優への具体的な道筋は「声優になるための具体的なステップ」で、学びの場の選び方は「声優養成所と専門学校の違い」で詳しく解説しています。仕事の種類を知った今日を、キャリア設計の第一歩にしてください。応援しています。
声の仕事の世界は、外から見えるよりずっと広く、そして今も広がり続けています。音声配信、オーディオブック、館内放送、車のナビ音声——あなたが今日聞いた「誰かの声」のすべてが、誰かの仕事です。アニメの主役だけがゴールではないと知っていることは、キャリアの選択肢を何倍にも増やしてくれます。広い地図を持って、あなたらしい道を描いてください。


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